賃金引き上げの方法は新産業を興すことだけ

安倍晋三首相は、消費税増税の表明と同時に、「経済政策バッケージ」を発表した。ここには、注目すべき点が二つある。

第1は、賃金が重要な問題だと認識されたことだ。政府はこれまで物価上昇率引き上げを政策目的としてきたが、円安で物価は上昇しているし、消費税が増税されればさらに上がる。しかしそれは、実質賃金を減らし、生活を貧しくするだけだ。賃金が上がらなければ、経済政策は成功したことにならない。この当然のことが、やっと認識された。

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住宅が支えた景気はすでに終わりつつある

不動産市場は活況を続けている。東京都や愛知県などで、住宅地と商業地の地価が5年ぶりに上昇に転じた。さらに、オリンピックで建設ブームが到来すると期待する向きもある。では、地価上昇の時代が再び日本に来るのだろうか?

まず最初に企業の業績を見ると、ここ数年、全般的には停滞が続く中で、不動産業の好調が続いてきた。

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米国金融緩和終了で投機の時代は終わるか

来年1月に任期満了を迎えるアメリカのFRB(連邦準備制度理事会)議長の後任人事が難航している。最有力候補だったローレンス・サマーズ元財務長官が指名を辞退し、本稿執筆時点では、その後の新しい人事提案はなされていない。

この人事に世界中の注目が集まるのは、言うまでもなく、アメリカの金融緩和政策の行方に関係しているからだ。緩和政策に懐疑的と言われるサマーズが辞退したことを受けて、ニューヨーク市場では株価が一時は上昇した。

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