長期的GDP成長の核は消費支出の順調な増加

内閣府が発表した4~6月期のGDP速報によると、同期の実質GDP(季節調整済み)の対前期比は、0.6%(年率換算2.6%)となった。この値は、1~3月期の0.9%(年率3.8%)より低い。

4月に日本銀行が異次元金融緩和措置を導入し、これによって経済が好転しつつあるとの見方が多かった。しかし、実際にはそうなっていない。民間調査機関による事前の予測では、年率3%台後半が多かったが、それは裏切られた。

続きを読む

デフレ脱却ではなくスタグフレーション

6月の全国の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数:コア物価指数)は、前年同月比で0.4%の上昇となった。前年比プラスは、2012年4月以来である。安倍晋三内閣発足前の12年11月に99.5だった物価指数は、6月には100.0になった。

物価上昇の主要な原因は、円安による輸入燃料の値上がりだ。まず、火力発電の燃料である液化天然ガス(LNG)価格が上昇したため、電気代が前年比9.8%上昇した。ガソリン代も6.4%、都市ガス代も4.7%上昇した。

続きを読む

安倍内閣の選挙後の課題は財政問題

参議院選挙後の安倍晋三内閣を待ち受けているのは、財政に関連する困難極まりない課題への対処である。

第1に、消費税率引き上げの最終的決断が必要だ。安倍内閣は経済は好転しつつあると主張しており、事実いくつかの経済指標は改善している。4~6月期のGDP成長率は、1月に編成された補正予算による公共事業の増加と、消費税率引き上げ前の住宅駆け込み需要の影響で、かなり高い成長率になる可能性が高い。したがって、景気を理由として税率引き上げを延期するのは難しいだろう。

続きを読む

政府支出に依存する従来型の景気回復

日本銀行は、7月11日の金融政策決定会合で、景気の基調判断を「緩やかに回復しつつある」とした。会合後の公表文では、景気の基調判断を前月の「持ち直している」から1段階引き上げた。個別項目では、生産を「緩やかに増加している」、輸出を「持ち直している」へそれぞれ上方修正した。設備投資も「持ち直しに向かう動きもみられている」へ引き上げた。黒田東彦総裁は、会合後の記者会見でも、国内景気は「緩やかに回復しつつある」との見方を繰り返した。基調判断を引き上げた理由は、国内景気が底堅く推移し、輸出が持ち直している中で、「所得から支出への前向きな循環メカニズムが働いている」ことだとした。

確かに、鉱工業生産指数は上昇を続けている。ただし、2005年基準値は、12年9月がボトムで、上昇はそれ以来のことである。この当時には、まだ円安への転換は始まっていなかったので、自律回復と考えるべきだろう。

続きを読む