ムードだけでは不十分 今後の経済政策の課題

参議院選挙が終わり、今後の経済政策を中期的な観点から考える条件が整った。この機会に、安倍晋三内閣の経済政策であるアベノミクスについて評価しておこう。

アベノミクスの中心は、金融政策である。しかし、マネーストックをM2で見てもM3で見ても、対前月比増加額はマネタリーベース増加額に及ばない。つまり、異次元金融緩和措置で日本銀行による国債購入が増加し、銀行の日銀当座預金が増えたが、それだけに終わってしまって、貸し出しが増えていないのである。

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成長戦略に欠けている流通業の構造改革政策

政府が6月に閣議決定した成長戦略「日本再興戦略」に欠けているのは、産業構造の方向づけだ。縮小する製造業に代わって日本産業の中心となる産業をどうするのか、という視点がない。成長戦略は、依然として製造業を中心とする発想から脱却していない。

製造業の縮小を必然として認め、それに代わる新しい産業を考えることが必要だ。その際中心となるのは、流通業などを含む広義のサービス産業だ。

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円安による費用増はすでに政治的問題

農林水産省は、円安による燃油費高騰の影響を受けている漁業者を支援するため、燃油価格が一定の水準を超えた場合に、国が価格上昇分の4分の3を負担する方針を固めた。また、牛や豚などに使われる配合飼料の7~9月販売分の価格に対して、直近1年の平均価格を上回った値上がり分を補填している基金に国が助成することを決めた。

食品業界は、円安による原材料の輸入価格上昇に大きな影響を受けている。7月からはパンや加工食品の値上げに踏み切るメーカーが相次ぐ。製パン最大手の山崎製パンは、7月1日から食パンと菓子パンの出荷価格を2~6%引き上げる。地方都市に行くと、みそ製造などの食料品加工業が、大豆などの輸入価格の高騰で困難な状態に陥っているとの話を聞く。全日本トラック協会は、燃料費を補填する補助金の創設を求めた。

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