円安・株バブルでは実体経済は改善せず

日本銀行が新しい金融政策を決定した。これによって、円安が進み、株価が上昇した。

ここ数カ月の株価は、「円安なら株高」という思惑で上昇していた。為替レートは、当初はユーロ情勢の変化で円安になったのだが、日本政府がこれを歓迎したため、投機が起こって円安が加速した。今回の金融緩和によって、為替と株のバブルはさらに煽られたことになる。日本は、国際的投機資金のカジノと化した。

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いまは歴史的な円安だが輸出は増えない

3月の全国企業短期経済観測調査(日銀短観)では、大企業製造業の業況判断DIがマイナス8となった。ところが、これを伝える新聞の見出しは、「改善」というものであった。

確かに数字は改善した。しかし、依然としてマイナスである。つまり、¬景気がこれから悪化する」と考えている企業のほうが多いのだ。虚心坦懐にこの数字を見れば、「見通しは依然暗い」ということだ。新聞の見出しは、極めてミスリーディングである。

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賞与増額の効果は無視できるほど小

今年の春闘で、自動車や電機などの大手メーカーの年間一時金(ボーナス)の増額回答が相次いだことが、大きく報道された。これがきっかけとなって、所得増と消費増の好循環が生じるとの見方もある。本当にそうなるのだろうか?

それを判断するには、ボーナス増額が経済に与える影響を、大きさと持続性の両面から正確に把握する必要がある。

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円安下で深刻さを増す自動車産業の環境

円安が追い風となって、自動車関連企業の採算が好転していると伝えられる。2013年3月期の決算が増益となることを背景として、春闘のボーナスも満額回答となった。これで日本経済が所得面から押し上げられることになると、報道されている。

しかし、そうした傾向は、統計には表れていない。統計から見られるのは、まったく逆に、日本の自動車産業を取り巻く環境が深刻さを増していることだ。円安にもかかわらず輸出が減少し、他方、国内ではエコカー補助金の終了で販売台数が激減しているからだ。

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