安倍内閣の政策は右傾化でなく左傾化

メディアは移り気である。変化には多大の興味を示すが、底に横たわる不変の事態には関心を持たない。「状況は昨日と同じです」ではニュースにならないからだ。

株価も為替レートも、昨日と比べての変化が最大のニュースだ。政権交代も大きな変化だから、報道の注目は集まる。それによって株価や為替レートが動けば、売買によって利益を上げられるから、さらに注目が集まる。総選挙前後からの経済報道は、こうした側面に終始した感がある。

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幻の輸出立国を追い円安を求め続ける愚

日本の貿易収支は、東日本大震災以来、若干の例外を除き月ベースで赤字になっている。

2012年1~10月は5.3兆円の赤字だ。これは、前年同期の赤字1.7兆円の3倍を超える。11年の貿易統計べースの赤字は2.6兆円だった。年中の1~10月の比重が変わらないとすると、12年の貿易収支は8.2兆円という巨額の赤字になる。

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金融緩和で日本経済は海図なき航海に出る

総選挙は、自由民主党の圧勝に終わった。安倍晋三総裁が選挙前に金融緩和を標榜していたこともあり、これから大幅な金融緩和に向けての政策が取られるだろう。株式市場はこれを好感し、大幅に上昇した。

しかし、日本経済の実情は極めて厳しい。対中輸出の減少などを原因として、景気が落ち込んでいる。巨額の赤字に直面する家庭電器産業の問題も、なんら解決されていない。また、エコポイントやエコカー購入補助などの支援策を再開するのも困難だ。そして、製造業の海外移転も続く。これまでのような大企業だけでなく、部品メーカーをはじめとして中小企業も海外移転するだろう。このため、2013年においては、企業城下町での工場閉鎖が相次ぎ、失業率が高まる可能性が高い。

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