躍進するアジアの大学取り残される日本の大学

山中伸弥教授のノーベル賞受賞は、停滞する日本に届いた久しぶりのうれしいニュースだった。日本の科学技術力を世界に知らしめた点で、2年前のはやぶさ帰還以来の快挙だ。

しかし、喜んでばかりはいられない。前回述べたように、工学教育において、日本がアジアの大学に追い抜かれつつあるからだ。そこで言及したタイムズ・ハイヤー・エデュヶーション(THE)の2012~13年版大学ランキングについて、もう少し敷衍したい。

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絶好調の米企業と低迷する日本企業

8月の鉱工業生産指数は、前月比マイナス1.3%と、2ヵ月連続の低下となった。前年同月比では4.3%の低下だ。

この主たる原因は、対中国輸出が急減少していることだ。2010年10月にピークに達した後、ほぼ傾向的に減少してきた中国向け輸出は、今年8月には9662億円で、前年同月比で約1割の減少となった。

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強い産業を持つ国と古い産業のままの国

「アメリカが日本化する」としばしば言われる。雇用情勢がいつになっても改善しないのを見ていると、そう言いたくなる。

しかし、アメリカ経済は、日本経済と大きく違う。それは、企業利益が増加し続けていることに明白に表れている。今年第2四半期には、全体の企業の4分のIが過去最高益を記録した(日本経済新聞、9月22日)。最高益企業が最も多いのは、金融業だ。アップルやグーグルの株価も史上最高値を更新し続けている。

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原発依存度だけの目標設定は無意味

「政策を評価するには、提案者に対して適切な質問をしなければならない」と前回述べた。政策提案者の側から見れば、「政策の策定に当たっては、問題を正しく設定しなければならない」ということだ。

政府が先般決めた原子力発電に関する新戦略は、不適切な問題設定の見本のようなものだ。政府は、「2030年における原発依存度を、20~25%、15%、0%のいずれかから選べ」という形で問題を提起した。しかし、この問いに対する答えは、電力需要の総量がどの程度になるかによって、大きく変わるのである。したがって、依存度をいずれかの値に決めても、そのことの意味は、需要総量によって大きく違うものとなる。

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