依然として深刻な貿易収支の実態

6月の貿易収支は617億円と、わずかながら黒字となった。しかし、これをもって日本の貿易収支が恒常的に黒字化すると考えることはできない。以下に述べるように、いくつかの要因によって、深刻な実態が隠されているのである。

第1に季節要因がある。6月は冷暖房の電力需要が少なくなるので、例年、発電用燃料の輸入が減る。昨年6月も、貿易収支は645億円の黒字になった。それに比べると、わずかとはいえ、今年の黒字は減少している。そして、季節調整値で見ると、今年6月の貿易収支は、約3000億円の赤字となっている。

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輸出入を円で見るかドルで見るべきか

貿易収支の指標にはいくつかのものがある。普通はどれで見ても大体の傾向は同じなのだが、2009年以降は、どれを見るかで数字の傾向はかなり異なる。その違いは、状況の認識や、必要とされる対策の評価に影響を与える。

第1の差は、円建てとドル建ての差である。

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