回復を妨げるのは輸出減でなく投資減

1~3月期のGDPは、前年同期比2.8%の増加となった。2011年1~3月期以来マイナス成長が続いていたのだが、やっとそれからは脱却したわけだ。

しかし、水準を見ると、08年ごろの水準に戻っただけであって、経済危機前の水準を取り戻すには至っていない。12年1~3月期を07年1~3月期と比較すると、実質GDPは5.3兆円ほど減少している。

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製造業の利益減少に歯止めがかからない

法人企業統計の2012年1~3月期速報によれば、経常利益の対前年同期比は、全産業で9.3%増、製造業で3.6%増となった。

これだけを見ると、日本企業の利益が順調に伸びているような印象を受ける。しかし、昨年の1~3月期は、東日本大震災の影響で利益が著しく落ち込んだ時期だった。だから、伸び率が高くなるのは当然である。

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日本とギリシャはどこが違うのか?

ギリシャでは、総選挙後の連立交渉が決裂し、6月17日に再選挙が実施されることになった。財政支出の削減が強行されているので、社会の混乱が深まっている。

医療関係予算が4割もカットされ、医療が危機的な状況に陥っている。警察官を有料で派遣するという前代未聞の事業開始が決定された。軍や警察の車両を動かすことができない事態になる可能性もあるという。緊縮財政案に反対するデモ隊と警官隊が衝突し、銀行に火炎瓶が投げ込まれて、銀行員三人が死亡するという事件も起こった。一方、日本では、このようなことは一切起こっていない。

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消費税を増税すると景気が悪化するか?

消費税増税に反対する論拠として、「景気に対する悪影響」が挙げられることが多い。「デフレ下で増税するとは何事か」「橋本内閣当時の1997年にも、消費税増税のために景気が悪化した」等々の議論である。以下では、こうした議論を評価しよう。

「消費税増税は消費を冷え込ませる」という議論がある。こうした主張をする人は、次のように考えているのだろう。「消費税は消費に課税する。だから、消費をしないこと、つまり貯蓄を優遇する。だから、貯蓄率を引き上げて、消費という有効需要を減少させる」。

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消費税の適正課税にインボイスが不可欠

消費税について、軽減税率や転嫁の議論が行われるようになった。これまで、政治的な駆け引きの道具に使われるだけで不毛な議論が多かったので、こうした実質的議論が行われるようになったことを歓迎したい。ただし、どちらの課題も、インボイスの導入なしには実現困難な課題である。

軽減税率について、「品目の選定が難しいから導入が困難」と言われることがある。そうした問題があることは否定できないが、軽減税率の対象となるのは生活必需品であり、価格によって需要はあまり変動しない。だから、これは本質的な問題ではない。

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