今回の消費税増税は間違った個所の手術

政府は、消費税の増税を決めた。現在5%である税率を、2014年4月に8%に、15年10月に10%に引き上げる。

しかし、この増税は、日本財政が抱える問題を解決することにはならないだろう。実際、今後の財政収支についてシミュレーション計算を行ってみると、増税直後には国債発行額が減少するものの、2年程度で元に戻ってしまうという結果になる。つまり、今回の増税は、「焼け石に水」の効果しかないのである。

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イタリアと日本の国債は何か違うか?

欧州ソブリン危機が深刻な間題だと意識されるに至ったのは、イタリアという大国の国債利回りが急騰したからである。

それまでは、ギリシヤなど小国の問題が中心だった。しかも、ギリシヤはすでに国家破綻的状態になっているので、問題の所在は明らかだった。しかし、2011年秋以降、これまでとは界質の要素が入り込んできた。この過程は、理解するのが容易でない。

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危機の前倒し発生に制度的な防御が必要

2012年度予算案や11年度の第4次補正予算を見ると、深刻な財政状況を解決する能力が日本政府にないことが、きわめて明瞭だ。1年前の本側で、「11年度予算には日本の死相が表れている」と述べたが、死相はますます顕著になっている。具体的には、次のとおりだ。

第1に、社会保障給付の見直しが急務であるにもかかわらず、実際に行われたのは、負担軽減措置のみだ。

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