TPPは製造業に深刻な悪影響を与える

野田内閣が取り組むべき政策課題として、TPPへの参加が挙げられることが多い。以下では、TPP推進論が多くの誤解に基づくものであり、実際の効果は一般に期待されているのとは異なることを指摘したい。

最大の誤解は、TPPやFTAが貿易自由化のための協定と考えられていることだ。そして、貿易自由化は、日本国内の農業にとっては打撃だが、その他の産業、特に製造業にとっては必要なので、これを推し進めるべきだとされる。しかし、TPPやFTAは、貿易白由化協定ではない。むしろ逆に、貿易阻害協定だ。

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新内閣の緊急課題は復興と社会保障改革

野田佳彦氏が新首相に就任した。新内閣がまず取り組むべき課題は、予算の編成である。来年度予算の編成作業を進行させ、復興のための第3次補正予算を早急に成立させる必要がある。

本来なら、もう来年度予算概算要求の締め切りになっているはずだ。また、復興のための補正予算はすでに成立していなければならない。しかし、政治的混乱のため、これらが手つかずで放置されてしまっている。

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円高と円安の利益を冷静に見極める必要

為替レートの問題を考える際、名目レートだけを見るのではなく、物価上昇率の差を調整した実質レートを見るべきだと、前回述べた。なぜなら、貿易に影響を与えるのは、名目レートではなく実質レートだからである。

前回は、「ビッグマック指数」を用いて、現在の実際の為替レートが格別円高とは言えないと述べた。実質レートとしてより厳密なものは、日本銀行が計算している「実質実効為替レート」である。これは、さまざまな国とのあいたの実質為替レートを、貿易額で加重平均したものだ。

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為替レートに関する考えを変えるべき時

世界の金触市場が混乱している。それと同時に円高も進行している。

為替介入が行われたが、効果はない。大震災直後の2011年3月18日に介入が行われたが、今、為替レートは介入前の水準に戻りつつある。そして、今回は介人の効果が1週間も継続しなかった。効果がないのは、現状が特に円高とは言えないからだ。「超」円高とはとても言えない。経済危機前の異常な円安が、正常な姿に戻りつつあるだけのことだ。このように考える理由を述べよう。

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