復興の基本方向は産業の東西再配置

大震災から早くも1カ月が過ぎた。被災地の状況はやっとがれきの除去が進んだ程度で、本格的な復興が始まったとはとても言えない。福島原発事故収束のメドも、まだ立っていない。

しかし、復興のおおまかな方向づけは、できるだけ早く明らかにする必要がある。民間企業が損壊した生産設備を元の場所に再建するか、それとも他に移転するかは、それによって大きな影響を受けるからだ。

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高まる不確実性と為替レートの大変動

大震災後、為替レートがきわめて大きく変動した。

直後に海外市場で急激な円高が進み、東京市場でも3月16日に78.1円になった。ところが、18日の介入を契機に円安に転じ、その後さらに円安が進んだ。4月6日には85円台となっている。これは、震災直前の水準より円安だ。中期的に見ても、2010年夏以来の円安である。

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負担反対は当然だがそれは破滅へ続く道

大震災からの復興に必要とされる政策は、国民に負担を強いるものだ。供給面に制約が生じているからである。この点が、数年前に生じた世界経済危機との本質的な違いだ。

世界経済危機で日本が受けた打撃は、「輸出の激減」という需要面のものであった。これに対して必要な経済政策は需要の喚起であり、それは(少なくとも直接的には)、誰にも損失を与えずに実行できる。日本では、エコカー支援などの需要喚起策が取られた。それは、特定の業界を救済したという公平の問題を含んでいたが、経済全体としての負担増にはならなかった(本当は、社会資本整備のための公共事業を増やすべきだった。私は、「戦後初めてケインズ政策が必要な事態が生じた」と考えて、公共事業拡大を主張した。拙著『未曾有の経済危機克服の処方箋』第6章を参照)。

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増税も円高も拒否なら消費者が負担を負う

今回の大震災の復興と経済対応について、「復興投資が必要、円高を防ぐべし、増税すべきでない、消費を減らすべきではない」等々、さまざまな主張がなされている。

これらの1つひとつを個別的に取れば、もっともなものである。しかし、経済全体としての需要と供給は等しくなければならないので、これらすべてを満たすことはできない。

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深刻な電力不足が経済活動を制約する

東北関東大震災によって、東日本で深刻な電力不足が発生している。

東京電力のプレスリリースによると、3月12~14日の期間で、同社の供給能力は3100万~3700万キロワットであり、ピーク時(18~19時)の想定需要量は3700万~4100万キロワットだ。つまり、供給能力は、ピーク時想定需要量を下回るか、あるいはぎりぎりの水準である。このため、計画停電が行なわれている。

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