未曾有の大惨事の異例の財政措置を

未曾有の大惨事となってしまった東日本大震災の被害について、現時点(3月14日)では、詳細はまったくわからない。ただし、これまで経験したことのない甚大な被害が発生したことは間違いない。

人名以外の物的資産だけを取っても、阪神淡路大震災では10兆円程度の損害が生じたと言われる。今回の被害は、それを上回り、GDPの数パーセントに及んでいる可能性がある。日本はそれだけ貧しくなったわけである。だから、日本人の生活が平均的にそれだけ貧しくなるのは、不可避のことだ。

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金融危機後の課題は財政赤字とインフレ

世界金融システムの主要な問題は、民間金融機関が抱える損失の処理から、国が抱える債務の問題にシフトした。

このことは、IMF(国際通貨基金)のGFSR(世界金融安定報告)に明確に表れている。この報告は金融危機の勃発以来、数回にわたって公表されてきたが、2010年10月からは、「ソブリンリスク」(国債のリスク)が主要なテーマとなっている。BIS(国際決済銀行)の年次報告にも、同様の問題意識の変化が見られる。

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新興国労働の活用が不可欠である理由

上場企業の2010年4月~12月期の連結決算が出揃いつつあり、連結経常利益が前年同期に比べて増加したことが報じられている。また、通期業績を今後上方修正する企業が増えるとも言われる。しかし、ここ数年間は、経済危機によって企業利益が異常な低水準に落ち込んだ期間であった。だから、それとの比較で利益が増えても、格別驚くには当たらない。

問題は、回復の度合いである。とりわけ、次の2点だ。第1に、日本企業の利益回復は、他の先進国企業に比較してどうか。第2に、利益の回復は、売上の回復に見合ったものか。じつは、このいずれについても、問題がある。それが日本経済にとって何を意味するかを、以下に検討しよう。

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