相続税改革で社会の停滞を打破

政府が昨年12月16日に閣議決定した税制改正大綱に、相続税・贈与税の改正が盛り込まれた。

改正の内容は、第1に基礎控除額の引き下げだ。現在は「5000万円+1000万円×法定相続人数」である基礎控除額を、「3000万円+600万円×法定相続人数」に引き下げることとされている。たとえば相続人が3人の場合だと、基礎控除額は8000万円から4800万円に引き下げられる。第2は、最高税率を50%から55%に引き上げることである。

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財政再建の基本は地方自治の確立

「消費税率を5%引き上げても焼け石に水」と第547回に書いた。その原因の1つは、増収額のかなりが地方に配分されることだ。

まず、税率5%のうち1%分は地方消費税である。残り4%分の29.5%は地方交付税に充てられる。したがって、増収分の44%は地方に配分されることとなり、国の予算の社会保障関係費にも、新規国債発行の減額にも充てることはできない。

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5%の消費税増税では焼け石に水

社会保障制度改革と財政再建の議論が始まろうとしている。多くの人が想定しているのは、消費税の税率を5%ポイント程度引き上げるというものだろう(以下では「ポイント」を省略する)。これだけの増税を行なえば、財政再建が達成されると考えられることが多い。

しかし、以下に述べるように、日本の財政は、その程度の税率引き上げでは、焼け石に水にしかならない状態だ。事態を大きく改善するには、ケタ違いの大規模な増税が必要になる。それを認識すれば、とるべき方策はまったく異なるものとなる。議論の出発点として、この点を明確にすることが必要だ。

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