中国のバブル対応は経済法則を超えるか

中国が金融政策を変更した。これまでの「適度に緩和的」から「穏健」に移行するとされている。実際には、「これまで緩和し過ぎた金融を引き締める」ということだろう。

経済危機後の中国は、輸出の減少にもかかわらず、経済成長率を大きく落とすことなく成長を続けてきた。これは、対米自動車輸出を中心として輸出が大きく落ち込んで経済がマイナス成長に陥った日本と対照的である。中国の輸出品は消費財が中心なので日本の輸出ほど大きくは落ち込まなかったのは事実とはいえ、輸出依存度は日本よりかなり高いので、経済危機後の中国の経済成長は、おおかたの予想を超えるものだった。

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中国抜きのTPPは輸出産業にも問題

TPP(環太平洋経済連携協定)についての議論が行なわれている。問題は農業保護と貿易自由化の兼ね合いであると、一般には考えられている。すなわち、「輸出産業の立場からはTPPに参加して貿易自由化を促進するのが望ましいのだが、引き換えに農産物に対する関税撤廃を求められる。そこで、農業関係者を説得し、農業を以下に保護するかを考えなければならない」という理解である。

確かに、農業問題は重要だ。しかし、その前に検討すべきは、「TPPによる関税引き下げが輸出産業にとって本当に望ましいか」という問題なのである。TPPが貿易を拡大するのは自明のことと考える人が多いが、必ずしもそうではないのだ。

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過去最低の内定率は経済構造変化の反映

厚生労働省と文部科学省の共同調査によると、らいねん3月大学卒業予定者の就職内定率は、10月1日時点で前年同期比4.9ポイント減の57.6%となり、調査を始めた1996年以降で最低となった。

理系の内定率は58.3%(前年同期比10.2ポイント低下)、文系は57.4%(同3.8ポイント低下)。男子が59.5%(同3.8ポイント低下)、女子は55.3%(同6.3ポイント低下)だった。学校種別では、国公立が63.2%(同8.1ポイント低下)、私立が55.8%(同3.8ポイント低下)だった。

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QE2がもたらすのは新興国バブルだけ

アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が、11月初めの連邦公開市場委員会(FOMC)で第2段の量的緩和(QE2)に踏み切った。これは、2011年6月までに6000億ドル(約49兆円)のアメリカ国債を買い上げる措置だ。

FRBは、08年のリーマンショック直後、金融市場の流動性危機に対応して大量の資金供給を行なった(QE1)。その結果、FRBの資産は08年9月の0.9兆ドルから11月の2.2兆ドルに急拡大した。09年1月からは、モーゲッジローン債権を買い上げた。

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