世界を徘徊する財政赤字という妖怪

「1匹の妖怪がヨーロッパを徘徊している」(Ein Gespenst geht um in Europa)とは『共産党宣言』の有名な書き出しだが、今ヨーロッパを徘徊しているのは、「財政赤字」という妖怪だ。

ユーロ圏を中心として世界金融市場の不安定な動きが続いている。これは、経済危機で税収が落ち込み、他方で各国政府が危機対応策を取ったことの後遺症だ。国債が急増したため、保有しているヨーロッパの銀行の資産が毀損する懸念があるのだ。

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消費税のインボイスは零細業者の味方

消費税増税に関するこれまでの議論を見ていると、税率が引き上げられた後も、インボイスなしという奇妙な形のものが続くことになりそうだ。インボイスは多段階売上税にとって本質的なものなので、これを欠く消費税は欠陥税である。

インボイス導入が敬遠されるのは、「インボイスを導入すると、取引の実態が税務署に明らかになってしまうのではないか」という零細業者の懸念と不安を配慮したためだと考えられる。しかし、以下で説明するように、インボイスは、弱小業者にとってこそ必要なものなのである。

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外形標準課税、または支出法人課税の提案

菅直人首相が消費税税率引上げに言及したことをきっかけとして、税制改革論議が政治の場でも行なわれるようになった。税制をめぐる議論はこの10年来ほとんど封印されてきたので、これは望ましい変化だ。参院選に向けて議論が深まることを期待したい。

言うまでもないが、税制改革に当たって議論すべきは、消費税だけではない。税制全般にわたっての議論が必要である。

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法人税減税が成長戦略となる条件

菅内閣は増税路線を明確にしつつあるようだ(実態は、財務省の意図がようやく政治に反映し始めたということかもしれないが)。

しかし、増税だけで財政再建を行なおうとしても、さまざまな問題が生じる。これは、これまでの回で述べたことである。特に、消費税の税率引上げは、国債の値崩れを引き起こす可能性が強いことを述べた。こうした問題が生じるのは、必要とされる増税額があまりに大きいからである。

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