「デフレ脱却」は邪教 それからの脱却が必要

「現在の日本経済が抱える最大の問題はデフレである」とする考えが、一般に信じられている。「デフレから脱却しなければ日本経済は活性化しない」と多くの人が言う。

政府は、2009年11月の月例経済報告で、「日本経済は緩やかなデフレ状況にある」と認定した。これは、3年5カ月ぶりの「デフレ宣言」である。

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外需依存の景気回復に安住はできない

日本の輸出は経済危機によって大きく落ち込んだが、2009年の1、2月頃を底として回復し、09年9月頃からは月額5兆円程度のレベルで推移している。10年1月には4.9兆円となった。07年から08年の夏頃までの輸出総額は7兆円程度の水準だったので、その7割程度の水準にまで回復したことになる。

国別に見ると、対米輸出は平均より回復が遅れており、対中国輸出の増加が顕著だ。09年12月の輸出額を08年7月に対する比率で見ると、対米輸出が65%程度のレベルに落ち込んでいるのに対して、対中国輸出は83%程度の水準である。07年7月に対する比率で見ると、対米輸出が58%程度に落ち込んでいるのに対して、対中国輸出は97%程度まで回復している。年間の数字で09年の輸出額を07年の輸出額と比較すると、対世界は64.5%であり、対米が51.7%、対中国が79.7%だ。このように、輸出総額の回復は、中国に対する輸出の回復に支えられている面が強い。

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電子書籍を出版文化向上に寄与させるには

アマゾン・ドットコムのKindleやアップルのiPadが、大きな関心を集めている。電子書籍は、グーテンベルクの印刷機発明依頼の大きな変化を、書籍の世界にもたらす可能性がある。

電子書籍の基本は、印刷・製本、書店販売というプロセスを省略して、書籍を直接読者に届けることが可能になることだ。著者から読者への情報送達過程における中間段階は、著しく簡単になる。つまり、他のIT確信と同じく「中抜き」が起こる。

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消費税福祉目的税化は議会の自殺行為

鳩山由紀夫首相が参院予算委員会で「福祉目的税」について言及した。しかし、このアイディアは、無意味なものか、あるいは危険な結果をもたらすか、どちらかである(どちらになるかは、以下に述べるように、制度の運営ルールによる)。これについてはこれまで何度も書いてきたのだが、世の中の誤解はいっこうになくならないので、ここで再び述べることとしよう。

そもそも目的税あるいは特定財源は、いかなる意味を持つのだろうか?(なお、使途特定化を目的税は税法で行ない、特定財源は特別会計法などで行なう。このように両者は制度的には別のものだが、ここではその区別をしない)

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