二重写しに見える日本航空と日本国

1996年に、この連載で日本航空(JAL)について書いたことがある(『無人島に持ってゆく本』、ダイヤモンド社、97年に収録)。その現行の最初では、60年代末の思い出を書いた。留学生としてアメリカに1人でいたとき、空港でJALの機体を見ると、強い誇りと安堵を感じたという思い出だ。

このことをあるイギリス人に話したところ、彼もBOAC(BAの前身。イギリスのかつてのフラッグキャリア)について同じ気持ちを持っていたと言った。ただし、日本人が抱いていた感情は、それより強かったと思う。なぜなら、日本は敗戦国であり、60年代における国際社会での位置づけは、イギリスとは比べものにならないほど低かったからだ。日本は、低開発国からやっと離陸したばかりの東洋の島国にすぎなかったのである。

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