講演に出かけたりインタビューを受けたりすると、「元気の出る話をしてほしい」と言われる。私としても、そういう話をしたいのはやまやまだ。そこで、「新しいことを始めるには、いまが絶好のチャンス」と言うのだが、これが「元気の出る話」だと受け取られることは少ない。多くの人は、きょとんとしている。
「元気の出る話」として期待されているのは、こうしたことではないようだ。多くの人は、「まもなく株価が上がる。円安になって輸出産業の利益が増える。物価や地価が上がる」というようなことを期待している。つまり、人びとが求めているのは、「なにかいいものが空から降ってこないか」ということなのである。