日本の自動車産業は生き残れるのか?

ドイツ、日本、中国、アメリカなど、主要な自動車生産国において、今年になって次々に自動車購入支援策が取られた。

ドイツは、新車購入支援補助金を年初に導入し、約200万台分を支給した。アメリカでは、低燃費車に買替える消費者に最大4500ドルを補助する制度を7月下旬に導入した。日本では、エコカー減税や新車購入補助金を実施した。中国では農村部での小型車への買替えに対する補助金の支給や、小型車購入で自動車取得税を半減する自動車普及プロジェクトを実施した。

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回復しつつある世界 取り残される日本

10月1日に発表されたIMF(国際通貨基金)の経済見通しにおいて、世界経済の2010年の実質成長率は、7月の見通しから0.6%引上げられて、3.1%とされた。これは、アメリカを中心として金融危機克服のメドがついてきたことを反映したものである。アメリカの成長率は、0.7%引上げられて、1.5%とされた。FRB(米連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長は、9月15日と21日に、「景気後退が終わった可能性がひじょうに高い」と述べた。

金融危機に解決のメドがついたことは、9月30日にIMFが発表した金融機関の損失見通しでも見て取れる。アメリカの銀行部門が07~10年に被る損失の総額は約1兆ドルと見積もられるが、このうちすでに約6割が償却ずみである。残り4000億ドルは、金融機関の留保利益だけで償却することはできず、資本調達しなければ自己資本が減少すると見られるが、それでも中核的自己資本(資本金や法定準備金)だけで、総資産額に対する自己資本比率6%は維持できるとされる。つまり、金融危機は克服できると見られる。IMFの報告は「今後には不確実性がある」としているものの、アメリカ経済が重要なターニングポイントに達したことは、たぶん間違いないであろう。

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G20が求める内需主導型経済

9月末の主要20カ国地域(G20)首脳会議(金融サミット)は、「世界経済不均衡の是正を目指す」との首脳宣言を採択した。この合意は重要な意味を持っている。なぜなら、今回の金融・経済危機の大きな原因として、世界的なマクロ不均衡があったとの認識が共有されたからだ。

経済危機の最大の原因が、アメリカの金融機関の無謀な投資にあったことは、疑いもない事実である。しかし、金融機関の行動だけで世界的なバブルが引き起こされたわけではない。

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内需主導型経済なら高い環境目標は可能

「2020年までの温暖化ガス排出量を、1990年比で25%削減(05年比30%減)する」という鳩山由紀夫首相・民主党代表の発言が波紋を呼んでいる。麻生太郎前首相が6月に決めた中期目標は、05年比で15%減(90年比では8%減)だったが、これに対しては海外から批判的な声が上がっていた。したがって、鳩山発言は、大きな前進だ(もっとも、国連の気候変動に関する政府間パネルIPCCの指摘では、温暖化に伴う干ばつや洪水の被害を避けるには、先進国は20年までに90年比25~40%の削減が必要としているから、これでも十分とは言えない)。

鳩山発言に対しては、「とうてい実現できない」とか「産業界に大きな負担増になる」などの意見が聞かれる。中期目標の検討は、首相官邸、地球温暖化問題に関する懇談会、中期目標検討委員会に置いて行なわれたが、3月27日の委員会に日本エネルギー経済研究所が提出した報告は、「90年比13%削減は、厳しい負担から、国民の合意を得られるかどうか疑問。23%削減は不可能」と結論づけていた。15%減の中期目標は、こうした分析を基として決められたものだ。

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100万人雇用創出事業を発動せよ

リーマンショックから1年がたった。しかし、日本経済の基本的条件は、改善していない。GDP成長率や企業収益は急降下から脱したとはいえ、本格的に回復したわけではない。先行指数である工作機械受注は減少を続けている。また、失業率は上昇を続けている。

こうした状況を見ると、秋から冬にかけて、状況が深刻化する可能性がある。これに対処することは、民主党にとって、緊急の課題である。その主眼は、雇用の確保だ。増加し続ける失業者に対処するため、百万人単位の雇用創出を行なう必要がある。

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