民主党は円高容認を明確にすべきだ

民主党への政権交代に伴って、円高が進行している。これまでの推移を見ると、次のとおりだ。

まず、7月12日の都議選で民主党が第一党になったとき、急激な円高が進んだ。ただし、このときは比較的早期に円安に戻った。その結果、8月はじめには1ドル97円程度までの円安になった。しかし、総選挙に向けて民主党の優位が明らかになるにつれて、ほぼ一直線に円高が進行し、8月26日頃からさらに加速した。民主党大勝が判明した8月31日には、92円台半ばまで急伸した。さらに、9月3日には一時91円台に上昇した。

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民主党に求められる整合的政策の策定

政権を取った民主党に緊急に求められるのは、経済政策の策定だ。「子ども手当」「出産一時金」「公立高校無料化」などの選挙用スローガン列挙からは一刻も早く脱却し、整合的で実効性のある政策を、現実的な財源手当とともに構築しなければならない。

まず、短期的な課題と長期的な課題を正確に把握することが必要だ。「短期的」とは、今後1年間程度の日本経済の動向との関連で必要とされる対策である。

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日本にはなぜガリレオが出なかったのか?

2009年は、ガリレオ・ガリレイの天体観測から400年目の「世界天文年」とされており、世界各地でガリレオにちなんだ行事が行なわれている。私は、この機会に日本人がぜひとも考えるべき問題があると思う。それは、「なぜ日本にガリレオが生まれなかったのか?」ということだ。

ガリレオが天体望遠鏡を作った1609年は、徳川家康の江戸城が完成し、秀忠が2代目将軍であった時代である。長い戦乱の時代が終わって平和が確実になったのだから、この頃の日本にガリレオのような人が現れても、少しも不思議はない。しかし、そうした人物は現れなかった。

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神風に頼るしかない日本経済の行方

内閣府が8月17日に発表した4~6月期の国内総生産(GDP)速報値(季節調整値。以下同)は、実質成長率が前期比0.9%の増、年率換算で3.7の増となり、5四半期ぶりにプラス成長に転じた。輸出や鉱工業生産指数の動向から、GDPがプラス成長に転じることは予測されていたが、そのとおりの結果になったわけである。なお、名目成長率は-0.2%(年率-0.7%)となった。

GDPのプラス成長をもたらした最大の要因は、外需である。1~3月期には前期比22.5%の減少だった輸出が、今回は6.3%の増加になった。他方で、輸入は5.1%減少した。このため、純輸出(貿易黒字)が前期のほぼ倍となり、これがGDP成長に大きく寄与した。

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