ついに姿を見せた自動車への露骨補助

4月10日に政府・与党が追加経済対策を決めた(4月末に国会提出予定)。この結果がどうなるかは、あらかじめ見えていた。財政支出拡大という千載一遇の機会を狙って、国家資金の争奪合戦が行なわれることだ。

まず第一に、これまでもそうであったように、増大する公共事業を地元に誘致するために、政治家が暗躍するだろう。そして、不要不急の公共事業の洪水が発生する。

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急降下はじき終わる 問題はその先の戦略

2009年2月の貿易統計によると、輸出は前年同月比49.4%減で約3.5兆円となった。2月の鉱工業生産指数は68.7で、1月より低下した。わずか半年のあいだに、日本の輸出はほぼ半減し、国内の鉱工業生産はほぼ4割減少した。これほど激しい経済変動は、少なくとも平時では、これまでまったくなかった。変化の激しさは、「人類の歴史で初めて」と言っても、誇張ではない。たとえてみれば、日本列島を巨大な津波が襲ったようなものだ。

しかし、未曾有の激変が底を打つ自棄が、やっと見えてきた。変化率自体はマイナスだが、その変化率が絶対値で縮小しているのである。データを図示してみると、曲線の傾きが滑らかになりつつあることで、これが直感的に把握できる。

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自動車産業が生き残る道は減税特需か

日本の産業の中核である自動車産業は、きわめて困難な状況に直面している。需要の見通しが生産能力を大きく下回っているからだ。

日本国内の自動車販売台数は、長期的な停滞状態にある。1990年代の中頃までは年間600万台を超えていたが、最近では400万台近くまで減っており、約4割の減少だ。これは、日本国内で賃金が伸びず、個人所得が増加しなかったことの影響も大きいと考えられる。日本自動車工業会は、3月24日、2009年度の自動車の国内販売台数が429万8000台になるとの見通しを発表した。これは、77年度以来32年ぶりの水準だ(なお、08年度の販売台数見込みは467万台)。

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CDSは悪魔の発明で金融危機の原因?

2月にアメリカ金融危機が再燃したきっかけは、保険グループAIGが2008年決算で992億ドルという巨額の赤字を発表したことだった。この赤字は、「クレジット・デフォールト・スワップ」(CDS)に起因する。同社のCDS取引は、08年3月末時点で想定元本が4750億ドルに達していた。金融危機の進展で、これが2年間で約400億ドルの損失を発生させていた。

今回の金融危機においては、CDSが大きなウエイトを持っていた。リーマン・ブラザーズも、巨額のCDSのプロテクションの売り手になっていたため、それからの損失が経常を悪化させた。

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