一次産品価格問題は解消したのか?

原油をはじめとする一次産品の価格は、2008年の7月頃までの急激な上昇を示したが、秋以降は急落した。アブダビ・スポット価格で見ると、08年10月末の原油価格は1バレル60.51ドルとなり、140ドルを超えた7月の水準に比べると、42%程度の水準にまで低下した。

日本国内のガソリンの全国平均価格は、11月4日には1リットル141円となり、8月4日に記録した最高値185.1円に比べると76%程度の水準にまで低下した。

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堤防の10倍の津波がこれから来る

10月末に、起業の9月期決算と2009年3月期予想が発表された。輸出関連企業の状況は「惨憺たるありさま」としか言いようがない。多くの企業で、08年4月からの通期では、利益が半減する。

株価はすでにこれを読み込んでいると考えることができる。日経平均株価は、昨年夏頃に比べて半分以下の水準にまで落ち込んでいる。「株価が低過ぎる」という企業経営者が多いが、今後の利益の状況を見れば、むしろ正確に反映していると言うべきだろう。

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市場が求めるのは経済構造の大転換

日経平均株価は、10月27日にバブル後最安値を更新した。その後株価は回復したものの、動きは不安定だ。したがって、株価に関する限り、日本経済は2003年に戻ってしまったと言うことができる。つまり、「未来への基礎を築く」という観点からは、02年以降の景気回復はまったく意味のないものであったことになる。

この景気回復は、輸出の増加によって生じた。輸出量が伸びた第一の要因は、アメリカの輸入増加だ。しかしその結果、アメリカの経常収支赤字は持続不可能なレベルにまで拡大してしまった。つまり、対米輸出の拡大は、いつまでも続く性質のものではなかった。

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助けた揚げ句に踏み倒されるお人よし

三菱UFJフィナンシャル・グループがモルガン・スタンレーに約9000億円の出資をした。この出資がなければ、モルガンは深刻な危機に陥ったと言われているので、きわどいところを救われたわけだ。

これでアメリカ金融経済の破綻がひとまず回避されたわけだから、三菱UFJは世界経済に多大の寄与をしたことになる。本来なら、アメリカ大統領から感謝状が来てしかるべきだ。

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日本の経験を教えると見得を切れば恥を曝す

「1990年代の日本の経験をアメリカに教えよう」という意見がよく聞かれる。麻生太郎首相は国連総会の演説でそう述べたし、新聞の社説や識者の意見などでも、こうした意見の大合唱が起こっている。

しかし、待ってほしい。いったい何を教えようというのか? 「金融危機対策にはスピードが必要」ということか? 日本で最初の資本注入が行なわれたのは、株価バブル崩壊のほぼ8年後であった。しかし、アメリカはすでに行動を起こしている。「われわれはのろ過ぎました。だから、失敗しました」と言っても、なんの参考にもならず、失笑を買うだけだろう。

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