8月の貿易収支は、26年ぶりに赤字になった。日本の貿易黒字が世界経済を撹乱しているとの議論が強まり、官民挙げて「黒字減らし」にやっきとなったときから20年程度しかたっていないことを思い出すと、不思議な感じがする。それより前の高度成長期、「国際収支の天井」を議論していた時代に戻ってしまった気さえする。
しかし、今そうした感慨にふけることは許されない。なぜなら、貿易収支の赤字化は、短期的にも長期的にも、日本経済にとって重要な意味を持っているからだ。短期的には世界経済危機との関係であるし、長期的には、日本の人口が高齢化することとの関係である。