世界経済の調整はまだまだ続く

フランスのBNPパリバ銀行が、サブプライムローン関連商品の値下がりに対処するため参加ファンドを凍結した「パリバ・ショック」から、1年がたった。この間に世界経済は様変わりした。

さまざまな経済指標が、そのことを明確に示している。ダウ平均株価は約1万3200ドルから1万1800ドルへと約89%の水準に、日経平均株価は約1万7000円から1万3400円へと約79%の水準に、それぞれ低下した。日米為替レートは、1ドル118円から110円へと円高になった。原油価格や食料品価格も高騰した。

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家計にリスク負担を求めるのは間違っている

日本では過去10年以上にわたって、超低金利が続いた。しかし、資産を定期預金で運用することが、格別の問題を引起こしたわけではない。なぜなら、物価上昇率もほとんどゼロだったからだ。定期預金の名目収益率は低かったものの、元本が目減りするような事態にはならなかった。

しかし、この条件が今大きく変わろうとしている。物価が上昇し、今後は定期預金の実質価値が目減りしてゆくことが、ほぼ確実だからだ。

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20年間の歪みを一挙に調整できるか?

アメリカ政府の統計によると、アメリカのガソリン価格は2008年7月21日で全国平均1ガロン4.06ドルだが、1年前には2.96ドルだった。したがって1年間に37%値上がりしている。それに対して、日本では、全国平均で昨年7月の1リットル141円が今では181円になっている(7月22日時点・日本エネルギー研究所、石油情報センターによる)。したがって、28%上昇したことになる。

つまり、ガソリン価格はアメリカでも日本でも上昇しているものの、上昇率は日本のほうが低い。なぜこの差が生じるのだろうか? 答えは簡単で、為替レートが変化しているからである。

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日本は本当はもっと豊かになることができた

現在、世界経済が抱えている問題の中核は、アメリカの経常収支における巨額の赤字である、と前回述べた。いかでは、この問題の背景について述べよう。

アメリカの経常収支は、1980年代に悪化し、86年、87年にはGDP比が3.3%程度にまでなった。しかし、80年代後半に改善し、91年にはゼロになった。だが、その後再び悪化に転じた。特に、90年代末からの悪化が著しい。2006年には、経常赤字の対GDP比は6.15%という未曾有の水準まで上昇した。

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