6月末に公表されたBIS(国際決済銀行)の年次報告は、昨年夏以来の国際的な金融市場の混乱について、サブプライムローン関連証券化商品の破綻は問題のきっかけ(trigger)ではあるが、原因(cause)ではないとしている。つまり、問題は証券化商品そのものではなく、それに対する投機を引起こしたマクロ経済の構造にあるというのだ。私は、この見方に賛成である。
BISの報告は、まず過去20年間にわたって、世界経済が安定的な経済成長による未曾有の繁栄を享受したことを指摘する(ただし、日本とドイツは例外)。インフレ率は低く抑えられ、金融市場は安定し、景気の下振れはきわめて浅くなった。ところが、それが2007年夏に急激に変調した。