いま問題となるアメリカ的生活様式

アメリカにおけるガソリンと住宅に関連する価格体系は、世界的な標準とは大きく異なっている。これらのいずれもが、税に起因している。

ガソリンについては、税負担率が著しく低い。ガソリンに対する税(ガソリン税などの個別間接税と消費税や付加価値税の合計)の負担率(2007年)を見ると、日本は44.6%であり、ヨーロッパでは60%台の国が多い(ドイツでは63.9%)。これに対してアメリカは12.7%だ。このため、アメリカのガソリン価格は、ヨーロッパの2分の1から3分の1程度にすぎない。

続きを読む

デカップルしたのは米ハイテク企業

先日発表されたグーグルの2008年1~3月期の決算で、純利益は13億1000万ドルとなり、前年同期の10億ドルから31%の上昇を示した。アップルの純利益も35.7%増の10億4500万ドルとなり、売上高、純利益とも動機の過去最高を更新した。インテルの同四半期純利益は12%の減となったものの、08年の利益率目標を維持した。このように、アメリカのIT関連ハイテク企業の業績はきわめて良好である。サブプライムローン問題など、別世界の出来事のようだ。

言うまでもなく、アメリカ経済の景気後退はまぎれもない事実である。1~3月期の実質GDPの成長率は年率換算で前期比0.6%となったが、2四半期連続で1%を下回ったのは、1991年以来17年ぶりのことだ。

続きを読む

円高でも平気な企業をつくれるか

アメリカの株価は、昨年夏以降の顕著な下落から回復した。ダウ平均株価で見ると、最近では、1年前の水準に戻っている。S&P指数やナスダック指数で見ても、ほぼ同じである。

他方において、アメリカの金融機関には巨額の損失が予想される。国際通貨基金(IMF)が4月8日に明らかにした試算では、サブプライムローン問題による世界の金融機関の損失が、5650億ドル(約58兆円)、商業用不動産業界などへの波及分を合わせると9450億ドル(約96兆円)に上る。また、アメリカの景気後退は、ほぼ確実と見られている。

続きを読む

正常な動きであるドル安と米景気後退

サブプライムローン問題が顕在化して以来、「動揺する世界経済」とか「アメリカ一極体制の終焉」といったタイトルの論説をよく見かけるようになった。アメリカ経済が衰退し、それがドル安に象徴されているというものだ。

以下では、ドル安とアメリカの景気後退は、アメリカの衰退や世界経済の不安定化を意味するものではなく、アメリカの過剰支出が是正されて世界経済が新しい均衡に向かう正常な過程であることを指摘する。

続きを読む