サブプライムローン問題の本質は格付けへの全面的な依存

サブプライムローン問題に関連して、「金融工学が悪用されてリスクが世界中にばらまかれた」「複雑な証券化が行なわれたので、リスクの所在がわからなくなった」「本来はゴミでしかないものの一部が切り分けられて高い格付けを取得し、投資家に販売された」等々の批判がなされている。以下では、こうした批判はかなり的外れなものであることを指摘する。問題の本質は、本来行なわれるべき「資産のプライシング」(価格付け)が行なわれず、それに似て非なる「格付け」に全面的に依存したことだ。

まず、サブプライムローンに関連して行なわれた証券化の手法は、格別新しいものではないことを説明しておこう。アメリカでは、住宅ローン(「モーゲッジローン」と呼ばれる)を多数まとめ、MBSと呼ばれる金融商品に証券化することがしばらく前から行なわれている。MBSの残高は、アメリカ債券市場で約4分の1を占めるまでになっている。住宅ローンの出し手からすれば資金調達とリスク移転の手段であり、投資家からすれば分散投資の手段として重要な役割を果たしてきた。

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古紙「偽装」事件が提起した本当の問題は何か

はがきやコピー用紙などの古紙配合率が、契約上の基準を下回っていた問題が発覚した。

この報道に接して多くの人が意外に思ったのは、「古紙配合率をなぜ低めたのか?」という点であろう。高めたのならわかるが、製紙会社はなぜ契約に反して「低めた」のか?

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米国法人税改革提案から日本が学ぶべき点

アメリカ財務省は、法人税の改革に関する報告を2007年12月20日に公表した(Approaches to Improve the Competitiveness of the U.S. Business Tax System for the 21st Century)。

これは、1986年のレーガン税制改革以来の、抜本的な法人税制改革を提案したものと考えられている。日本においても法人税を改革すべきだとの議論があるから、今回の報告書は関心を集めるだろう。

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