大きく転換しつつある世界経済の構造

2008年の世界経済は、波乱の幕開けとなった。年明けのニューヨーク市場で原油が1バレル100ドルを超え、ドルも下落した。それを受けた東京証券取引所の大発会では、株価が急落した。

これらは金融市場での出来事であり、必ずしも実需の変化によって引き起こされたものではない。特定の財の価格高騰が投機を呼んで価格をさらに高騰させれば、バブルが発生する。アメリカの住宅価格はそうした状態にあったが、原油や資源についてもそうなっている可能性がある。

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ジレンマを抱える08年の金融政策

2008年が物価上昇の年になることは、ほぼ確実である。すでに07年10月の消費者物価は10カ月ぶりにプラスに転じ、前年同月比0.1%の上昇となっている。11月の上昇率は、さらに高まると見られている。

この背後には、まず原油高がある。07年初めに1バレル50ドル台だった原油価格は、一時は100ドル近くなった。これを反映して、ガソリン価格はレギュラー1リットルで150円となった。

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格差を利用して格差に対処する

トーマス・フリードマン『フラット化する世界』に、インターネット活用のおもしろい実例が紹介されている。アメリカ・ミズーリ州のドライブスルー式ハンバーガーショップに来た客の注文を、1500km離れたコロラドの山中にいる係が受け、デジタルカメラで撮影した客の映像と注文を突き合わせて、店の厨房に送り返す。これによって注文の取り違いトラブルがなくなり、売り上げが増えたという話だ。

客から厨房までわずか数メートル送ればよい情報を、コロラドの山中まで送って送り返すというのがおもしろい。これは、インターネットの通信コストが事実上ゼロであるために可能になったビジネスモデルだ。

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