地域間格差是正と分権促進は矛盾しない

本誌11月3日号の「プリズム」欄で、辻広雅文氏は、「地方に道路を作るより、直接におカネを配るほうがよい」と述べている。この意見はまったく正しい。

しかし、残念なことに、こうした考えは、世の中ではほとんど理解されていない。そこで、以下ではなぜ直接補助方式が望ましいかを説明するとともに、これを敷衍して地域間格差の問題を考えることとしたい。

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年金の税財源方式は政治と企業のご都合主義

福田康夫内閣は、年金と関連づけた消費税の検討を始めた。基礎年金の全額を税で賄い、それに必要な財源を消費税の税率引き上げで賄うことも、検討課題とされている。

言うまでもなく、年金も消費税も、きわめて重要な政策課題である。もっと早く検討が始められるべき課題だった。増税を言い出せば、国民の人気を失いやすい。しかし、だからといってそれから逃げてしまうのでは、そもそも政権を担当している意味がない。国民が求めるアメを与えるだけのことなら、誰にでもできる。政治の使命とは、不人気でも必要なことであれば、国民にその必要性を理解させ、賛同を得て実行することであろう。消費税や年金の問題をこれまで放置してきた小泉純一郎内閣と安倍晋三内閣の責任は大きい。

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認めるべきでない証券優遇税制の延長

2003年に設けられた「証券優遇税制」の存続が、08年度税制改正の重要な課題になっている。金融庁は延長を求めているが、財務省は認めない方針だ。自民党内には延長を求める声が強いが、民主党は不要であるとしている。

私は、優遇税制の延長を認めるべきではないと考える。その基本的な理由は、株式の譲渡益や配当所得だけを他の所得より優遇すべき理由がないからだ。税において、公平性は最も重要な基準である。その原則をここでも貫徹すべきだ。

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どこかおかしい日本の金融規制

金融商品取引法が施行されて、われわれの日常生活にも影響が及んできた。私の場合の影響は、金融機関が主催する講演会において、資料を配布できなくなったことだ。

私の講演会に書いてあるのは、講演要旨と世界各国の1人当たりGDPなどの統計データであり、金融取引にはおよそ関係のないものだ。しかし、万一問題になっては困るということで、配布は見合わせることになった。こうしたデータを口頭で伝えるのは、じつに面倒なことだ。聴衆のほうも、さぞかし迷惑なことだろう。

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