記録問題だけではない年金制度のズサンさ

年金保険料記録問題への対応のため、保険料徴収に必要な人員が割けなくなるのではないか危惧される。現在6割台でしかない国民年金の徴収率を8割にまで引き上げることが目標とされているが、その達成に支障が生じはしまいか。

「日本経済新聞」(6月10日付朝刊)は、これが杞憂でないことを報じていた。加入者の相談に応じたり年金記録のミスを訂正するのに大量の職員が必要になり、保険料徴収業務が滞り始めているというのである。

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年金に関する本当の争点は何か

年金問題が参議院選挙での最大の争点として浮上している。しかし、前回のこの欄で述べたように、保険料納付記録問題は、きわめて重要であることは間違いないが、選挙の争点となるようなものではない。是正の必要性は明らかであり、あとは、これをいかに実行するかだけの問題だ。

年金に関する最大の争点となるべきものは、年金財政、つまり負担と給付の関係である。これこそが年金の最も基本的な問題であり、その方向づけについての議論が、十分に尽くされなければならない。

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「年金記録問題」は選挙の争点にならぬ

「年金記録問題」が国会終盤で大きく取り上げられている。社会保険庁の公的年金保険料納付記録のうち、約5000万件の対象者が不明になっている問題だ。

政府は、年金支払い漏れが判明した場合に5年の時効を適用せず、不足分を全額補償する救済策を特別立法で講じることとし、特例法案を国会に提出した。記録の再調査も実施する。本稿が活字になっているときにはこの問題は決着しているはずだが、政府は、社会保険庁改革法案と併せて、5月31日の衆議院通過を目指している。

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「金融立国」に最も必要なのは人材育成

欧米(特にアメリカ)の金融機関は、1990年代に大きく変貌した。最大の変化は、高度な金融サービスを提供する投資銀行業務が急成長したことだ。

現在、日本と欧米の金融機関の収益率にはかなりの格差があるが、その大きな原因は、日本の金融機関が伝統的な業務に終始しており、投資銀行的な業務を行なう能力がないことだ。

このような現状を打破し、「金融立国を目指そう」という考えが出されている。その方向づけに、私も賛成だ。問題は、そのために何をなすべきかである。

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「ふるさと納税」にだまされてはいけない

突然浮上した「ふるさと納税」という制度が実現しそうだ。これは、納税者が住民税の一部を自分の出身地に納税することができる制度だ。

6月にまとめる「経済財政運営の基本方針07(骨太の方針)」に盛り込まれるのだそうである。そして、今年末の税制改正で論議したあと、2008年度税制改正で実現する予定だ。

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