家計所得が伸びないのは産業構造が変わらないから

企業業績が改善する半面で、家計の所得が伸びない。そのため、消費も伸びない。「家計を犠牲にして企業が復活した」と、この連載で何度か指摘してきたが、これが日本経済の大きな問題であるとの認識が一般化している。

なぜこのような現象が発生するのだろうか? これは小泉純一郎前内閣の構造改革の結果だと言われることがある。しかし、そうとは考えられない。少なくとも、直接の結果ではない(ただし、間接的な意味では重要なかかわりがあることをあとで述べる)。

これは、グローバリゼーションによって賃金が世界的に平準化してゆく過程ととらえるべきものだ。

続きを読む

予算構造改革なしに「財政再建」とは欺瞞

2007年度予算の最大のポイントは、国債発行額の減額であるとされている。確かに、国債発行額は06年度当初予算から4.5兆円減額され、25.4兆円となった。これは、10年ぶりの低い水準だ。

政府は、「これによって財政健全化に向けて前進した」と強調している。しかし、そうした評価を受け入れることは、とうていできない。そう考える理由として、次の3点を挙げよう。

続きを読む

三角合併の解禁は日本を活性化させる

日本経済団体連合会は、2006年12月に、三角合併の成立要件厳格化などを柱とする買収防衛策強化提言をまとめ、発表した。「三角合併」とは、会社を合併する際、消滅会社の株主に対して、親会社の株式を交付する方式である。新会社法で可能となったが、施行は07年5月からとされていた。

日本経団連の提言では、議決権を持つ過半数の株主が出席して、3分の2以上の賛成が必要な「特別決議」にすべきとしている。その理由として、日本企業の子会社化によって技術が外国へ流出する恐れなどを挙げている。

続きを読む