企業所得は伸びるが賃金は上がらない

企業の業績が向上し資本の収益率が高まるが、それが賃金に還元されない。

90年代以降の世界で、こうした現象が一般化している。アメリカでは顕著に生じており、「雇用なき景気回復」(jobless recovery)ということがしばらく前から言われている。日本でも類似の現象が起きている。企業所得が顕著に回復している半面で、家計所得は伸びていないのである。

この背後には、世界経済の大きな構造変化がある。第一に、冷戦の終結によって、それまで社会主義経済に閉じ込められていた約30億の労働人口が、資本主義経済の枠内に取り込まれることになった。つまり、労働力が急激かつ大量に増加したわけだ。

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