野田佳彦氏が新首相に就任した。新内閣がまず取り組むべき課題は、予算の編成である。来年度予算の編成作業を進行させ、復興のための第3次補正予算を早急に成立させる必要がある。
本来なら、もう来年度予算概算要求の締め切りになっているはずだ。また、復興のための補正予算はすでに成立していなければならない。しかし、政治的混乱のため、これらが手つかずで放置されてしまっている。
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野田佳彦氏が新首相に就任した。新内閣がまず取り組むべき課題は、予算の編成である。来年度予算の編成作業を進行させ、復興のための第3次補正予算を早急に成立させる必要がある。
本来なら、もう来年度予算概算要求の締め切りになっているはずだ。また、復興のための補正予算はすでに成立していなければならない。しかし、政治的混乱のため、これらが手つかずで放置されてしまっている。
続きを読む為替レートの問題を考える際、名目レートだけを見るのではなく、物価上昇率の差を調整した実質レートを見るべきだと、前回述べた。なぜなら、貿易に影響を与えるのは、名目レートではなく実質レートだからである。
前回は、「ビッグマック指数」を用いて、現在の実際の為替レートが格別円高とは言えないと述べた。実質レートとしてより厳密なものは、日本銀行が計算している「実質実効為替レート」である。これは、さまざまな国とのあいたの実質為替レートを、貿易額で加重平均したものだ。
続きを読む世界の金触市場が混乱している。それと同時に円高も進行している。
為替介入が行われたが、効果はない。大震災直後の2011年3月18日に介入が行われたが、今、為替レートは介入前の水準に戻りつつある。そして、今回は介人の効果が1週間も継続しなかった。効果がないのは、現状が特に円高とは言えないからだ。「超」円高とはとても言えない。経済危機前の異常な円安が、正常な姿に戻りつつあるだけのことだ。このように考える理由を述べよう。
続きを読む消費税増税を提言した「社会保障・税一体改革成案について」を閣議決定できなかったことから、増税の実現可能性を疑問視する声が強い。そして、増税のために必要なのは、強い政治指導力だと言われる。確かにそうだろう。
しかし、政治力以前に必要なことがある。それは、増税の必要性について国民を納得させることだ。
続きを読む「社会保障・税の一体改革」では、「2010年代半ばまでに消費税を10%に引き上げる」こととしている。しかし、この程度では、社会保障財政が抱える深刻な問題はまったく解決できず、焼け石に水だ。前回、このように述べた。背景を以下に述べよう。
日本の人口構造変化の基本的方向は、高齢者が増えて生産年齢人口が減少することだ。これまでもそうだったが、今後もその傾向か継続する。
続きを読む復興とともに財政にとっての重要な課題は、社会保障制度の改革である。
政府・与党は、6月17日の「社会保障と税の一体改革」に向けた成案決定会合で、改革の最終案をまとめた。そこでは、消費税を社会保障目的税と位置づけ、2015年度までに段階的に税率10%にまで引き上げることとした。政府・与党社会保障改革検討本部は、6月30日、社会保障・税一体改革の成案を決定した。ここでは、消費税率引き上げ期限は「10年代半ばまで」とされた。ただし、消費税率引き上げに関する意見集約は見送られた。
続きを読む国債の負担や対外資産の活用などの議論が混乱する原因は、政府にとっての問題と日本全体の立場から見ての問題とが明確に区別されず、混同されることになる。以下に述べるように、「どのような手段で財源調達すれば、負担は将来に先送りされるのか?」「どのような手段で財源調達すれば、使用できる資源総量が増えるのか?」という問題に対する答えは、政府の立場から見る場合と、日本全体の立場から見る場合では、異なるものとなるのである。
企業の財源調達であれば、その企業の立場だけを考えて行なえばよいだろう。しかし、国の場合には、政府の立場だけではなく、日本経済全体の立場を考慮した議論が求められる。
続きを読む対外資産を取り崩して復興財源として用いる場合、民間金融機関が保有している対外資産については、金融機関がポートフォリオを対外資産から国債に変更する必要がある。しかし、金利が上昇したとしても、金融機関がポートフォリオを変更しない可能性は否定できない。
その場合においても、外貨準備なら政府の意思で動かすことができる。そして、今回の復興資金について言えば、それだけで額的には十分だ。
復興資金には対外資産を活用するのがよいと前回述べた。外貨準備も対外資産の一部なので、復興資金として使うことができる。これは究極の埋蔵金である。
2010年末の外貨準備は約89兆円ある。これほど巨額の外貨準備を保有し続けることがはたして必要なのだろうか?
巨額の資産を持つ退職後の老夫婦を想像していただきたい。資産は、家を何軒も建てられるほどのものだ。しかも銀行預金なので、必要があればいつでも使えるとしよう。
ある日地震があり、住んでいた家がつぶれてしまった。再建のための資金をどう調達したらよいか? もちろん、銀行預金の一部を解約して使うべきだ。慌ててハローワークに飛び込んで慣れない低賃金の職を求め、その賃金で家を建て直そうなどとは、決して考えるべきではない。